将来の話が話題に上がる事が多くなって、
大人になるって身体が安定する事と同時にだだっ広い平地に立たされるだけなんだなと分かり、この平らな未来を感じる今、私は大人になったんだなあと思うようになった。
子供の時は未来に無限の可能性を感じていた。
未来が見越せない分、何にでもなれるしなんでもできるんだろうと漠然と思ってた。
でも今は世の中の仕組みやこの先のイベントの事も知識としてあるから出来る事が限られている事も知っている。
ああ、なんで男と女って結婚しなきゃいけないんだろう。
ずっと一緒に生活するだけでいいじゃないか。
子供とか世間の目とか相手の家族とか婚姻とか、面倒だな。
別にいいじゃないか、このままでも。駄目なの?どうしてそうしなきゃ白い目で見られなきゃいけないの。
自分の未来の子供を度々想像して会話をするけど、いつも最後は大きくなった子供に憎まれて殺される。
人間を一人正常に育てる事。
誰にだって出来る事じゃないよ。
でもやらなきゃいけないらしい。
自分の遺伝子は可能な限り世の中に残したくない。
結婚。
結婚とか、それが=私の幸せにはならない。
きっとそれ自体に幸せを感じる人もいるんだろうが、私にはそれが檻に思えて仕方がない。
家庭は牢屋。
こんな事パートナーには言えない。
パートナーは私と一緒にいる事を望んでくれる。嬉しそうにしてくれる。
もうだめだ。私はこの人を裏切れない。
女になりたくない。
女という機能を使いたくない。男の人は嫌い。一緒にいると自分が女であると認識してしまう。
自分の身体が女の形をしているのがどうしようもなく恥ずかしくて気持ち悪い。
だから、ただ一緒にいよう。
結婚とかそんなのいいから、気の合う人間同士のんびり生活しよう。
それじゃどうして駄目なの?
どうして目的地が全部結婚になるの?
あー、どうしようかなあ。
いやだなあ。