今日。
買い物をたくさんした。
田舎に住んでいると遠出をしないと質の良い物にありつけない気がする。
田舎にはそもそもお店があまりない。最低限の衣食住を満たすのに必要な物しかない。
もちろん田舎にもいい所はある。田舎の暖かさってやつもあるにはあるが、今住んでる場所は5、6年前に引っ越してきて、内3年間は別の土地で一人暮らしをしていて、まだ帰ってくる場所としての田舎ではないというか、なんだか既に出来上がってしまったコミュニティに入っていけてないからいつもどこか知らんぷりされているような感じ。
昔なじみの友人もいない。幼い頃を知る近所の人もいない。
こうなると本当にこの小さい町はなんにもない。世界から病人を療養の為にと隔離する施設のように思う。それが私に焦燥感を与えている。私は狂うこともできないから正気のままこの施設の中で死んでいくのかな。いっそ狂ってしまえれば居つけるのかな。でも狂えない私は正気のまま檻の中で。
退屈だ。
東京の人には敵わないのだ。
お金持ちの人には敵わないのだ。
ああ、でも今日行ったところは東京ですらないんだわ。
東京を模倣した、でも下品な町だ。
欲しい物は買ったし面白い物も見つけられたから満足だけど東京ですらないところで満足してしまう田舎精神がなんだか嫌だ。って思う自分の卑しさも嫌だ。
でも今日帰り道、近くの団地に住んでる知らないおばさんが私に、
「公園通るの?あそこに今男の人が寝ているから気を付けて」
と声かけてくれたんだ。
なんだかそれが、自分を被保護者の気分にさせて嬉しかった。
私はまだ子供の気分でいる。守られていると感じるととても安心して心地よくなる。
バイトもして少しずつこの町は私の帰る場所になりつつある。
でも一年もしない内にまたここを離れることになるだろう。
そろそろ帰る場所が欲しい。