気になってた文芸書を読んでせらせらと涙が出た。感動!とか愛!そういう大げさな事じゃなくて、心の奥にスッ…っとかすり傷を入れられるような感じだ。
案外小川のように愛とかそういう仰々しいのは流れてて、小川には私が瞼を閉じて仁王立ちしているんだ。瞼を閉じているからそれが分からないだけだ。目を開けると突然愛があるんだ。
あ~~~
愛の物語では無かったよ。どちらかというと勇気の物語だ。
お互いに承認すること、自分は生きてる、ここにいる。そして人も生きてて、出会って別れて、小川の中で馬鹿みたいに浮いて沈んで追い付いて追い越されて、その中で務めて冷静に、ただし必死に自分をチカチカと信号にして送る、ただそれだけの事なのにそれが愛おしく思う。
人間なんか大嫌いだけど愛おしい。
何目線なんだって話だけど、でもそう思う。
時々俯瞰する。それを思い上がりとか傲慢とか言われるかも知れないけどそれはデッサンの時に狂いが無いか確認するために冷静になる行為と同じ。
今はなんか俯瞰的な気持ちだ。今の私は何にもなびかない。きっと寝て起きたら元通り。
感傷的な気分ってこういう気分なんだろうか。
うーん、あー、軽やかな作品、当て逃げしてくる作品だった。ずるい。
そういう作品いいなあ…。